2014/01/17

捨てなさい

住職です。

あるお宅にお伺いしたときのことです。

奥様に先立たれ10年以上経ちますが、おうちがまぁきれいなこと。
玄関からキッチンから、ものが少なくてお掃除も完璧。
ふつうのおたまやボウルや布巾、今日の新聞が(うちのよりはるかに)輝いてみえる!

思わず「禅寺のようですね」と本職の私がコメントしてしまうほど。

伺ってみますと、この方は元自衛官。
そして従事されていたお仕事は、船のコックさんでした。なるほど。
極限状態での作業が常に強いられるお仕事。筋金入り!命がけ!プロフェッショナル!

どうしたらこんなにすっきり、きれいになるんですか?と、
すがる気持ちでおたずねすると、、、
(現在、住職は身辺整理の真っ最中で、しかもモノの多さと育児で心が折れている)

  「上司には『捨てなさい』といわれました」と静かにいわれました。

やはり、そこなのか!と住職は思ったわけです。
なぜなら、、、、

最近の愛読書が、母の運転手としていやいや行った武山の平坂書房で目についた、、、
 
  ゆるりまい著『なんにもない部屋の暮らし方』のシリーズ、と

新聞の広告欄で、安倍首相が座禅する寺の住職の本という宣伝文句はさておき
ためしてガッテン!でバンジージャンプをさせられていて、おもしろかった住職の本、、、

  平井正修著『こころがみるみる晴れる坐禅のすすめ』

の2冊で、ゆるりまいさんの本は片付けの方法と言うより、
「ものを捨てる、捨てたい、、、、捨てれない」という人々に対して
どんっと背中を押してくれる本。(整理整頓や片付けの本ではなく精神論)

平井正修さんの本も、
最初から「捨てろ、捨てろ」の連発で、
捨てたい気持ちも捨てなさいという
(禅ですから当たり前ですが)捨てたい自分にはもってこいの本。
(禅の本ですから内容はもっとはるかに深いです、念のため)

ということで、話はもどりまして、そのお檀家さんのことが
このときは、いまの自分にとっては、理想的!完璧だわ!すごすぎる!となった訳です。
しかも、この方にとっては普通のこと、さらりと身についておられる。
(10年以上もそのお家に通っているのに、、、、今更の尊敬で情けないこと)

というお話でした。これにちなんで仏教的な話も多々ありますが、
書いてもつまらなかったので、そしてこれで十分なのでこれでおしまい。

読んでくださって有り難うございました。 合掌